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出荷した牛は枝肉加工されせりにかけられます
子牛を立派な肉牛に育て上げて市場に出荷するまでが、畜産農 家(肥育農家)の仕事ですが、うちの牧場は肉の販売まで手がけて
いるので、市場に出荷した牛をせり落とすという大きな仕事が残っ ています。つまり、自分の牧場で育てた牛を自分で買うわけです。
うちの牛は関西方面も含めて数か所の市場に出荷していますが、 ここ福岡食肉市場では毎日、九州沖縄山口などの畜産農家から牛が
出荷されています。出荷された牛は枝肉に加工され、等級の格付け が行われた後にせりにかけられるのです。 佐賀の畜産農家として
は、そこで格付け最上級の5等級から4等級にかけての評価を得 て、晴れて「佐賀牛」ブランドに認定されることが大きな目標で、
それが達成されたときは「ああ、ヤッタ!」と。
格付けだけが全てではない。そこが奥深いところ
ただし、枝肉から各部位に切り分けられた段階でわかる肉質のよ しあしもあって、格付けだけがすべてではない、そこが奥の深いと
ころです。だから、時には等級が下の牛のほうが高くせり落とされるという事も。そこは買受人のプロとしての目の確かさで しょう。まあ、どういう肉質を求めるかという買受人それぞれの志
向の違いもありますが…。
販売まで手がけることで牧場自身も育つのです
中山牧場としては、加工された時の肉のよしあしまでをしっかり と見極め、それを今後の牛の肥育法に反映させていきたいという思
いから、自分たちが育てた牛の肉の販売まで手がけるようになりま した。だから、せり落とすのはうちの牛だけ。
一部繁殖も含めて牛の肥育から肉の販売まで、そのトータルした 体制の中で中山牧場自身が育ち、それによってよりおいしい牛肉を
皆様にお届けできる。そんな思いを持って、私は今日もせりに出か けるのです。 |
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