いやあ、今年前半の藁寄せ作業は秋雨と台風でずいぶんと
気をもみました。稲刈り後の田んぼから乾燥させた藁を牧場
の倉庫へ運び込むまで雨に当ててはいけないし、集草作業用
の重い機械を田んぼに入れるのに地面もある程度乾燥した状
態でないとダメだし、ぐずぐずしていると農家さんの次の植
え付け作業が始まるし。秋の藁寄せは常に天気との闘いです。
この稲藁は牛の一年間の飼料になります。牛には栄養たっ
ぷりの濃厚飼料に加えて、これから丈夫に大きく育つための
胃袋をつくる粗飼料が必要なんです。それが稲藁で、うちの
牧場ではできるだけ県産の稲藁で育てようと、近隣の大町町
や佐賀市の稲作農家さんに有料で分けていただいています。
地元玄海町は棚田が多いので片道1時間半かけても佐賀平野
まで出かけて行ったほうが効率はいいんですね。
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今は品種改良で稲刈りが9 月上旬から始まるので、藁寄せ
もそこからスタートして、11 月上旬まで続きます。トータル
で約200 町の田んぼから稲藁のロール1 万個程を運び出しま
すが、この時は地元のタバコ農家さんがちょうど農閑期なの
で、毎年助っ人をお願いしています。
作業は日が暮れるまでが勝負で、藁を反転させて乾燥させ
る人、それを集めてロールにする人、ロールを田んぼから運
び出す人、トラックに積み込む人、トラックで牧場までピス
トン輸送する人、と計20 人体制で頑張っています。
加工販売部門担当の私も、この時ばかりはいてもたっても
いられず、毎年現場へ駆けつけて、できることは何でも手伝
いながら全体の士気高揚をはかります。大変な作業もみんな
でやれば、笑顔で頑張れるじゃないですか。
牛たちにはしっかり乾燥させたおいしい藁を食べさせてや
りたい一心ですが、その藁を与えられるのも稲作農家さんの
おかげ。つくるものは違っても、農業は循環しているのだと
つくづく思いますね。
牛たちにはしっかり乾燥させたおいしい藁を食べさせてや
りたい一心ですが、その藁を与えられるのも稲 をつくってく
れる農家さんのおかげ。つくるものは違っても、農業は循環
しているのだとつくづく思いますね。<2009 年 冬>
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